海外ブランド’07秋冬パリ・オートクチュール


海外ブランドで2007年秋冬パリ・オートクチュールコレクションが7月2日から4日間開かれました。海外ブランド20のショーが発表されました。創業60周年にあたるクリスチャン・ディオールなどが祝祭的な雰囲気を盛り上げる一方で、新時代への変化に適応したオートクチュールの新しい展開も見られました。

海外ブランドのクリスチャン・ディオールが「ニュールック」とよばれる新しいスタイルでデビューしたのが47年の2月でした。60周年目の今回は、フランスパリ郊外のベルサイユ宮殿をステージに選びました。

今回のテーマは「アーティストの舞踏会」というコンセプトです。創立者がこれまで愛してきた写真家や画家らの作品からアイディアを出しその中から45点を発表しました。有名なモネの絵にちなんだドレスにはスイレンの刺繍(ししゅう)が施され、カラバッジョの血のような赤が印象的な絵画から、ドラマチックなえんじ色をイメージしたドレスを発表しました。ステージでは聖歌隊の歌声とフラメンコにのせて、ロマンチックなショーが繰り広げられました。

有名画家の絵画を鮮やかにイメージしたものと、故ディオールが創り出したこれまでのスタイルを融合させていました。現クリエーティブディレクターのジョン・ガリアーノが、その力量を示したコレクションには、ナオミ・キャンベル、リンダ・エバンジェリスタらの世界の一流スーパーモデルが華を添えていました。

創業20周年目のクリスチャン・ラクロワは華麗な色彩で知られるデザイナーですが、今回は黒を基調にしていました。日本の着物風のコートですとか中近東風の刺繍を施したものなど、全体的にエスニックなイメージを採り入れたシックなコレクションでした。

シャネルはカール・ラガーフェルドが手がけて25年ですが、フランスパリ郊外の公園でステージを設けて開催しました。全体に流れるようなラインのドレスやスーツを発表していました。街にそのまま出かけられる高級な服の印象でした。羽根や石を使った装飾を施していてプロフィルにスポットをあてたコレクションとなっていました。

ジャンポール・ゴルチエはテーマを王子とマハラジャとしていまして、インド的な雰囲気をモチーフしたものを織り込みマニッシュでシャープなスタイルにまとめていました。エッフェル塔の刺繍や王冠風の髪形を施したミリタリージャケットなど、とてもウイットに富んだステージでした。

ジョルジオ・アルマーニは新しいアプローチが必要だ。として優美なブランドという印象の強いアルマーニ・プリヴェから、今回はデビッド・ボウイらのロック音楽から発想したものが発表されました。タイトなタキシードに紫のシャツとブラックタイの組み合わせや、クリノリンにハードなブーツといった新しいスタイルを見せてくれました。

ジバンシィは古代神話をモチーフにして毛皮のウエストコートとテーラードジャケットを組み合わせたスタイルで若手のクリエーティブディレクター、リカルド・ティッシが新しいオートクチュールを模索しているようにみえました。