プーマはグッチ・ローランと“兄弟” ファッション武器に2強と一線

 ドイツのスポーツ用品大手プーマが、フランスの小売り大手PPRに買収されることになった。PPRは海外有名高級ブランドグッチやイブ・サンローランなどを擁する。傘下入りで、プーマは一層ファッション性を高めていく意向だ。

 「20年前はスタイル、カラー、デザインなどはさほど重視されなかったが、今やそれらが成長の原動力」-。先週、独ニュルンベルクで行われたPPRとの記者会見で、プーマのツァイツ社長はそう強調した。

 同社はスポーツウエアながら日常でのファッション性やデザインを重視した「スポーツ・ライフスタイル」分野で1990年代以降、急成長を遂げてきた。「スポーツ・ライフスタイル市場は伝統的なスポーツ用品業界とは、共通項よりも違いの方が大きい」とツァイツ社長。PPRとの提携でデザイン力などを強化、「世界の象徴的なスポーツ・ライフスタイル企業」を目指すという。

 ライバルの独アディダスが米リーボックを買収したことで、世界のスポーツ用品業界はアディダスと米ナイキの2強時代に突入。主力の米国、欧州市場が成熟し競争が激化する中、プーマは一般スポーツ向けの2強とは一線を画す構えだ。



フジサンケイ ビジネスアイ - 2007年4月15日